蛍籠と黄ニラ
こんな「釜」がありました。
花巻市大迫交流活性化センターの
展示館1階・第一展示室です。
この展示館は
宮沢賢治の童話『猫の事務所』の
モデルになったと言われているそうです。
衝動を抑えきれずに釜のふたを開けると
『あなたは何にでも興味を持っていますね〜』
やられました! お見込みどおりの行動だったわけです。
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テレビで、最近、「第15回 おおはさま 宿場の雛まつり」の告知が流れています。
10月に行った『アート@つちざわ まちかど美術館2011「まちはジャングル」』が面白かったことを思い出して、今日、行って見ました。
いやはや、すごいです。
お雛さまもすごいのですが、「昔のお宅」がすごいです。絶対に見に行かれたほうがよろしいです。
私のおすすめは、
7番 小川酒店の若旦那さんの熱心な説明。
11番 桜井家の旅館づくりの二階家。
案内図には番号がない、紙芝居会場の畠家の商家づくり建物。
16番 村喜本店の蛍籠。
そして、
家々などあちらこちらの会場にいて、雛人形の説明などを一生懸命にしている、制服姿の大迫高校のボランティア生徒。
聞けば、2年生と3年生が全員、ボランティアとして「雛まつり」に参加しているのだそうです。
(調べると、大迫高校の学校行事にも「ひな祭りボランティア」と載っていました。)
どの会場でも、
高校生たちは、正確で丁寧でタイムリーな説明や、テキパキとした仕事をしてくれます。
すばらしい街が、すばらしい高校生を育ててくださっているんだな…と暖かな気持ちにさせてくれました。
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村喜本店のお話をします。
お雛さまのあいだに、三階建ての家の形をした何かへんてこなものがあるのです。大きいです。
帰ってきて、調べてみると、高さ110cm、幅98.5cm、奥行き66.5cmだそうですが、ベニヤ板半分を縦に置いたようなサイズの印象でした。
あっちから見たり、こっちから見たりしていると、きちんとスーツを着た旦那さんが説明してくださいました。
『蛍籠(ほたるかご)』だそうです。ほたるをその家の中に入れて、見て楽しむのだそうです。
写真撮影が禁じられていましたので写真は撮ってきませんが、村喜本店のサイトに写真がありますし、
日刊ブログ新聞「ぶらっと!」というサイトの『お宝発見「蛍かご」』という記事に詳しい説明がありますので、お読みください。
実は私、
「蛍籠」そのものに感動した訳ではなく、
(このお座敷で、籠に入れた蛍を眺めながらみんなで食事をしたのだろうなぁ…
素敵な文化があったんだなあ。風流だし、楽しかったんだろうな…)
と「往時の素敵な生活」に思いをめぐらせたのです。
そのことを旦那さんに伝えると、ご本人は蛍籠を使ったことはないが、そういう趣獅フ楽しみをもたらしただろうとおっしゃってくださいました。
壁には橋本八百二の油彩などもかかっていましたし、村喜という屋号も気になっていましたので、
(もしや…)とお聞きしました。
果たして、
その家は、元大迫町長、元県議会議員の村田柴太先生のお家で、説明してくださった旦那さんは息子さんとのことでした。
だいぶ前の国体(たぶん愛知国体)に当時県議だった先生とご一緒させていただいたこと、結構前の県高校総体の登山競技で、ある事情により早池峰山からの会場変更が必要になったときに、町長だった村田柴太先生にお世話になったことをお話しました。
なんという偶然でしょう。
2002年にお亡くなりになってから、はや10年です。
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村喜本店のとなりに、商工会議所の事務所があります。
その前は、ご覧のとおり「晴れの国 おかやま」…岡山県です。
『冷たいスープ』と『「黄にら」の温かいスープ』と『パン』を、無料でご馳走になりました。
お話を聞けば、7時間かけて岡山県からいらっしゃったとのことでしたが、
どこかで花巻の商工会議所の人と一緒になる機会があって、その時に、こんな催しがある…と誘われたので、今回のブース開設となった、とのことでした。
岡山の「黄にら」(黄色いニラ)は全国一の生産量をほこる農産物ではあるものの『黄ニラは、あまり一般には知られておらず、高級食材として流通しているためか、ごく一部の店でしか売られていません。』という状況のようで、その消費拡大をかねていらっしゃったようですが、
寒い中、テントでの無料提供、本当にありがとうございました。
たぶん、これ、
さまざまな人たちの結びつきの中で実現したものだとおもいます。
やっぱり、『ウィーク・タイズ』だよなあ…と感じました。
帰りにいただいたチラシ類を見ると、
スープをご馳走してくださったのは、岡山市のレストラン「ぶどうの木舎(もくしゃ)」の薮原正雄さん、
(このページの下のほうに詳しい紹介がありました。写真入り。)
そして、
パンをご馳走してくださったのは、これも岡山市の『焼きたてパン工房 Lassen(ラッセン)』の方(名前は調べられませんでしたが、たぶん、福島健さん。)でした。
ちなみに、
ラッセンの方からもらったチラシには、
5%offチケットがもらえる「ホームページ会員」の登録の仕方だけが書かれたものがありました。
すごいです。新幹線で7時間もかかる花巻市大迫町で配ってるんですよ、それを。
すごい発想ですよね。
いつかの機会にそなえて、登録してメールマガジンをもらおうかなぁ…と思っています。
お会いしてお話をすることができて本当にラッキーでした!
でも、残念ながら、お二人は、今日、帰るのだそうです。
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こんな遠いところまで、本当にありがたい…とおもいましたが、
横幕の左下にある署名をみて、
(あ、そういう趣獅ナしたか。本当に、ありがとうございます。)
お二人が岩手に行くということで、
書家の國代厚子(峰泉)さんが、
この横幕を書いてくださったのだそうです。
『復興を祈念して』とあります。
心よりお礼もうしあげます。
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通常の生活を送っていては、到底、会うことができない、たくさんの人にお会いした一日でした。
名刺を持って歩かなかったことを本当に悔やんだ一日です。