震災後もばんばんとスポーツに関するお話を流しておりましたが、実は悩んでおりました。
「誰のため」「何のため」なんだろう…
たとえばこの7・8月に行われようとしているインターハイ。岩手県でも10競技が開催される予定です。
「何のため」と問われれば、
全国の高校生の日頃の運動部活動の成果を発揮させるため、
さらに選手ではない岩手の高校生にも活躍の場を与えるため…ひいては、
岩手県を元気にするため。
と、皆さんにお話をしてきていますが、私の思い込みではないだろうか、真実だろうか…という不安が最近大きくなってきました。
震災後には、「何のため」のスタンスが、自分の中で、ぶれてきているような気がしていました。
「復旧・復興」以外の事業は、「こんな時」に行ってはいけないのではないか…
とすれば、何らかの屁理屈をつけて「復旧・復興のため」と衣替えをしなければいけないのではないか。
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こんな時は原点に戻らなければなりません。
「平成23年度全国高等学校総合体育大会岩手県開催基本要項」の「目的」を読んでみましょう。
大会は、高等学校教育の一環として、高校生に広くスポーツ実践の機会を与え、技能の向上とスポーツ精神の高揚を図るとともに、高校生相互の親睦を深め、心身ともに健全な青少年を育成することを目的とするものである。これです、これ。これが目的です。この大会を本県で開催することは、高校生の体育・スポーツの振興はもとより、すべての県民が共に生きる「希望王国岩手」を目指す本県にとって誠に意義深いものであるとともに、地域スポーツの振興と地域の活性化を促進し県勢発展に資するものである。
「日本の高校生のため」「心身ともに健全な青少年を育成するため」に開催する大会です。
現在の状況では、望まれる十分なことができるとは限りませんが、本当の目的を見失うことなく、
ぶれずに突き進みたいと考えています。
できる限りという条件はつきますが、全力を尽くして全国の高校生への約束を守りたいということです。
ご支援をお願いします。
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横田尚哉さんの「誰のため・何のため」という公式ブログがあります。
【視点を変える「ファンクショナル・アプローチ」のすすめ】が副題です。
そこに
「復興は、30年後の子供たちのために、輝く未来を遺すために。」
という記事があります。
とても大切なことが書いてあります。ぜひお読みください。
その中から「震災復興のFASTダイアグラム」を
無礼を承知のうえでお借りしました。
横田さんの「復興」の概念は、どちらかというと
私の言うところの「復旧」の概念に
近いところがあるような気もしますが
そこは気にしないで話を進めます。
実は私、
このダイアグラムのなかに私たちの事業を入れて、なんとかして皆さんのご理解を得ようとしていました。
下から二つ、つまり「不安を取り除く」「復興への力を与える」にぶら下がるのかなぁ…などと考えましたが、
どうしてもしっくりといきません。
それはそうです。
もともと「何のため」が違うのですから。
副次的な意味でこのダイアグラムに影響をあたえるものを、さも一義的な目的で実施するようなそぶりで行おうとしていたのです。
角を矯めて牛を殺すところでした。あぶない、あぶない。
でも、私、間違っているのかもしれない…。