◇どういうことなんでしょうか…
ドーハ・アジア大会陸上女子800m銀メダルのサンティ・ソウンダラジャン(インド)選手の件です。
男なのに女のふりをして走ったんでしょう。
新聞には『性別検査の結果は「女性としての性的特徴を持っていない」』とあります。
◆君は、Gender Verification、性別検査についてどの程度ご存知かな?
◇そりゃ、男と女の違いは一目瞭然でしょう。
◆聞きますが、あなたは、本当に女性ですか?
◇し、失礼な!どこをどう見ても女性でしょう。しかも、こんな美人ときている。
◆読売新聞には『染色体検査などの結果、身体的に「男性」と認められた。』とあるよ。
君は染色体の性別検査を受けさせられたことはありますか?
◇あるはずないでしょう。
◆性染色体って知ってる?たぶん高校で習ったんじゃないかな。
◇当然です。男性はXY、女性はXXの組合せで性が決まるんです。
◆性別検査はそのことを根拠に性を決定するらしい。
ちょっと、ここを読んで(読売新聞 →オリンピック物語→ 第四部女性の戦い<6> )勉強して欲しいんだけれど、
染色体に異常のある方がおられるらしい。
女性では「XX」であるべき性染色体が「XXY」とかに間違っている場合があるらしい。
さっきの記事では、1000人に1人以上の割合、とある。
◇見かけはどうなんですか、その方は?
◆これが、全くの女性。
◇ということは………
◆さっきの記事には、
85年の神戸ユニバーシアードで『Y染色体を持つ「男性」と診断された』女性の話も載っていいるでしょう。
◇スペインの女性の例ですね。
『私の人生で最も悲しい事件だった。
新聞に書き立てられ、私は陸上競技も、恋人も友人も奨学金も失った。』
とあります。
◆どうです、あなたが、努力して国際大会に選ばれる。実力を十分に発揮して上位入賞する。
その後、頬の内側の粘膜を採取され、その結果『染色体的に「男性」である』と言われ、
すべてを奪われるとしたら
◇耐えきれません。何でそんな検査をしなければならないんですか?
◆今は、オリンピックでも国際オリンピック委員会が検査する権利を持ってはいるものの、
性別検査は実施されていません。
「性染色体を使う検査は、八百長をしている者でなく、
知らずして体質異常を抱えている女性たちを暴くだけだ」という考え方もあります。
◇なるほど。
◆いいですか、
インドの選手は、何も知らずに一生懸命努力した人だと、私は信じています。
でも、スペインの方のように、
女性であることを再証明するために戦う力を持ってはいないと思います。
彼女は、この事件で、すべてを失うでしょう。
◇ご、ごめんない。私、テレビとかの話を鵜呑みにして、面白半分で…。
【追】
読売新聞の「オリンピック物語」をお書きになった方は、結城和香子さん。
今回、ドーハから読売のこのニュースを送って来た方も、結城和香子さん。
ですから「染色体検査」という言葉が読売新聞にのみありました。
でも、読売新聞(たぶん整理部の方)は、とんでもない見出しをつけました。
「男だった!インド選手のアジア大会銀メダルをはく奪」
なんという見出し。ああ…
【追の2】
国際オリンピック委員会(IOC)は新規定で、男性が性転換手術を受けた後2年以上が経過するなど条件を満たせば、女性と認めることを定めている。(読売新聞12月19日10時31分配信)